会社設立を検討していて、税理士に頼むかどうか悩んでいませんか。

会社設立そのものは法人登記が必要で、登記申請は司法書士の独占業務です。ただし税理士は、登記の前段階での節税スキーム設計から、設立後の税務署届出・記帳ルール作り・初期顧問契約まで、創業期の税務全般をワンストップで支援できます。

設立初期に何を頼むか・誰に頼むかを誤ると、後々の節税効率や経理オペレーションの非効率を引きずります。本記事では、会社設立に強い税理士の選び方を以下の順で整理します。

  • 会社設立で税理士に頼むべき理由
  • 設立サポートの費用相場
  • 失敗しない選び方の3つのポイント
  • よくある失敗例と回避策
  • 地域から探す方法

読み終わる頃には、会社設立フェーズで税理士をどう活用すべきか具体的にイメージできるはずです。


会社設立で税理士に頼むべき理由

「設立は司法書士、税務は税理士」と業務分担が明確ですが、設立前から税理士を巻き込むメリットは大きいです。

1. 設立時の節税スキーム設計

会社設立時に決める要素の多くが、後々の税負担に影響します:

  • 資本金の額:1,000万円未満なら設立初年度の消費税が免除(2年間)
  • 事業年度の決め方:設立月から逆算して節税余地が大きい月を決算月にする
  • 役員報酬の設定:社会保険料と所得税のバランスで手取り最大化
  • 役員社宅・出張旅費規程の整備:設立直後に整えると次年度から非課税枠を活用
  • 減価償却の方法選択:定額法 or 定率法

これらは設立後に変更しにくいため、設立前の税理士相談で決めておくのが理想です。

2. 税務署への各種届出

会社設立後、税務署・都道府県・市区町村に提出が必要な書類は10種類以上あります:

  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書(提出しないと白色申告で節税メリット大幅減)
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
  • 棚卸資産の評価方法の届出書
  • 減価償却資産の償却方法の届出書
  • 消費税課税事業者選択届出書(あえて課税事業者になる場合)
  • 都道府県・市区町村への法人設立届
  • 社会保険関係の届出(健康保険・厚生年金)

特に青色申告の承認申請書は設立から3か月以内に出さないと初年度は白色申告になり、欠損金繰越控除(10年)や30万円未満の少額減価償却資産の特例が使えません。

3. 創業融資のサポート

設立直後の創業融資(日本政策金融公庫の新創業融資など)は、事業計画書の作成が必要です。税理士は事業計画書のレビューと、銀行・公庫との交渉サポートで実績ある事務所が多いです。


会社設立サポートの費用相場

設立サポートのみ(顧問契約なし)

サービス内容 料金目安
設立前相談(資本金・決算月・役員報酬設計) 3万〜5万円 or 顧問契約条件で無料
設立後の税務署届出フルセット 5万〜10万円
設立初年度の決算・申告 15万〜25万円
創業融資の事業計画書サポート 10万〜30万円(成功報酬込み)

設立+顧問契約セット

設立後すぐ顧問契約を結ぶ前提なら、設立費用を割引・無料にする事務所が多数:

セット内容 料金目安
設立サポート無料 + 月額顧問1.5万円〜 年間18万〜30万円
設立サポート無料 + 月額顧問2.5万円〜 + 決算料 年間45万〜60万円

設立フェーズだけ依頼して、後で別の税理士に顧問を頼むのも可能ですが、引継ぎコストを考えると最初から顧問前提で選んだ方が効率的です。

なお、登記費用(法人登記の登録免許税15万円 or 6万円、定款認証手数料5万円等)は別途必要です。電子定款を使えば印紙代4万円が削減できます。

顧問料相場全体の構造は税理士の顧問料・報酬相場ガイドで詳しく解説しています。

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失敗しない選び方の3つのポイント

ポイント1:設立サポート実績の件数

「会社設立サポート対応可」と書いている事務所は多いですが、年間実績は事務所ごとに差があります:

  • 年20件以上:創業支援を主軸にしている事務所
  • 年5〜20件:標準的に対応している
  • 年5件未満:設立サポートに不慣れな可能性

特に、設立スキーム設計のノウハウは経験で蓄積されるため、年20件以上の事務所が安心です。

ポイント2:創業融資・補助金の実績

設立直後の資金調達サポートは、税理士の力量が出やすい領域です:

  • 日本政策金融公庫の創業融資の成功率
  • 制度融資(自治体)の活用経験
  • 創業助成金・小規模事業者持続化補助金の申請実績

「過去3年間で創業融資を何件サポートし、成功率はどのくらいですか」を聞いてみてください。実績豊富な事務所は数字で即答できます。

ポイント3:成長フェーズに伴走できるか

設立直後は月額顧問1.5万円でも、3年後に年商1億円になったら月額5万円のサポートが必要になります。事務所の対応キャパシティ:

  • 上場準備(IPO)対応の実績
  • M&A・事業承継のアドバイス力
  • 国際展開のサポート(海外子会社設立、移転価格など)

「将来的にこの方向に行きたい」と伝えて、対応経験を即答できる事務所を選びましょう。あなたの成長と一緒に並走できる事務所が理想です。


よくある失敗例と回避策

失敗例1:青色申告承認申請書の提出忘れ

設立から3か月以内の提出を忘れて、初年度が白色申告になった。結果として欠損金が繰り越せず、2年目以降の節税効果が大きく損なわれた。

回避策:設立後すぐに税理士と契約し、届出書のチェックリストを共有してもらう。提出期限のリマインダーを設定。

失敗例2:資本金1,000万円で消費税課税事業者に

「資本金は多いほど信用が増す」と考えて1,000万円にしたら、初年度から消費税課税事業者になってしまい、年間数十万円の納税負担。

回避策:設立前に税理士に相談。資本金999万円にすれば設立2年間は消費税免税のメリットを享受できる(売上見込みによる)。

失敗例3:役員報酬を設立後に変更して損金不算入

役員報酬は事業年度開始から3か月以内(設立年度は設立日から3か月以内)に決定する必要があり、その後変更すると一部が損金不算入になる場合があります。

回avoid策:設立前に税理士と役員報酬を設計。最低でも1年目は変更しない前提で金額を決める。

失敗例4:設立後の届出を忘れて行政指導を受けた

社会保険の加入義務(法人は強制加入)、源泉所得税の納付、地方税の申告など、設立後の手続きを忘れて後で督促状が来るケース。

回避策:設立サポート込みの税理士契約で、届出のスケジュール表を共有してもらう。


会社設立に強い税理士を地域から探す

会社設立サポートは、設立後の顧問契約を見据えると自社の本店所在地に近い事務所を選ぶメリットがあります。とはいえオンライン完結も可能なので、地域は柔軟に選べます。

設立フェーズの効率的な探し方は、会社設立サポートに強い税理士紹介サービスを使うのが最短です。事業内容・予定資本金・希望事業年度・創業融資希望の有無を伝えれば、要件にマッチする事務所が紹介されます。

税理士ドットコム|税理士無料紹介

よくある質問

Q1. 会社設立は税理士と司法書士のどちらに頼みますか?

A. 登記そのものは司法書士の独占業務ですが、税理士事務所が司法書士と提携してワンストップ対応してくれるケースが多いです。税理士主導で進めれば、設立スキームから初年度税務までシームレスに対応してもらえます。

Q2. 設立前から税理士に相談すべきですか?

A. はい、強く推奨します。資本金・決算月・役員報酬・事業目的の決め方が、後々の税負担と節税余地を大きく左右します。設立2か月前くらいから相談を始めるのが理想です。

Q3. 会社設立サポートは無料で受けられますか?

A. 顧問契約とセットなら無料・割引にしている事務所が多数あります。設立費用単体で5万〜10万円ですが、顧問契約条件で無料化されるイメージです。

Q4. 個人事業から法人成りする場合も同じですか?

A. 基本的な流れは同じですが、個人事業の資産・負債を法人に移管する法人成り特有の手続き(資産負債の評価、消費税の調整、青色申告の引継ぎ等)が加わります。法人成りの実績豊富な税理士を選びましょう。

Q5. 設立後にすぐ売上が立たない場合、顧問契約は必要ですか?

A. 売上がゼロでも、税務署届出・年1回の決算申告・社会保険関連の対応は必要です。最低限の月額1〜1.5万円程度の小規模顧問プランから始められる事務所もあります。


まとめ

会社設立は、税理士の関与で初期コストを抑え、後々の節税余地を最大化できる重要なフェーズです。

選び方のポイント:

  • 設立サポート年20件以上の事務所を優先
  • 創業融資・補助金の実績を確認
  • 成長フェーズに伴走できる規模・対応力があるか

設立前から税理士相談を始め、資本金・決算月・役員報酬・事業年度をパッケージで設計するのが、節税効果を最大化する近道です。